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ブラジル民主運動党が連立離脱を決定 政治は混迷へ

 各メディアによると、ブラジル民主運動党は29日、下院議会内で全国幹部会議を開き連立与党から離脱することを決定しました。会議開会後、議事を進行するロメロ・ジュカ第一副党首(パラナ州選出上議)がバイア州代表から出された連立離脱と現政権の閣僚および連邦機関の役職返還を求める動議を読み上げ、賛成者の起立、挙手を求める形で承認しました。会議では閣僚および連邦行政機関の役職に、同党の名で引き受けることを認めないとの決定もされました。ブラジル民主運動党党首のミシェル・テメル副大統領とレナン・カリェイロス上院議長は同会議に出席せず、エドゥアルド・クーニャ下院議長が出席しました。
 全国幹部会議を翌日に控えた28日、ブラジル民主運動党所属のエンリケ・エドゥアルド・アルベス観光大臣が大統領府に辞任願いを提出、同氏の辞任は29日に認められました。同氏の辞任でブラジル民主運動党所属のジルマ政権閣僚は6人になりました。同党の連立離脱が決まり、4月12日までに同党所属閣僚の辞任が行われる見通しですが、全員が辞任するかは現時点では不透明です。

大統領弾劾に大きく影響

 ブラジル民主運動党の政権離脱で現在下院で審議中のジルマ大統領の弾劾請求が特別委員会を通過する可能性が高まりました。下院本会議で弾劾手続きが承認されれば上院へ送られ、上院で過半数が弾劾裁判設置に賛成すれば大統領は180日間の停職となり、テメル副大統領が大統領代行になります。政権離脱で返還される同党関連の連邦行政機関の役職は最大で600に上ると見られます。

労働者党は反発

 上院労働者党リーダーのコスタ議員は本会議で、ブラジル民主運動党の姿勢を批判し、テメル副大統領に対しても「国民の投票で選ばれた大統領が、憲法上のクーデターで罷免されれば、次は自身に返ってくるだろう」と警告しました。政権側も反政権の動きやテメル氏への批判を強めていく構えです。31日には、弾劾反対派による全国規模の抗議行動が予定されています。