中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

トヨタ新車シェアは8%で5位

 ブラジル国内3月の新車販売台数(登録ベース)は乗用車、軽商用車、トラック、バスの合計で、前月比5.30%増、前年同月比0.88%増の20万9183台でした。全国自動車販売業者連盟が3日発表し、国内メディアが伝えました。また、今年第1四半期(1~3月)の販売台数は60万7612台。18年第1四半期の54万5478台より11.39%増と大幅に伸びました。自販連は、「期待する通り市場は右肩上がりに増大している。19年初めの予想通り、市場は拡大ペースにある」としています。

 3月に最も売れたのは、乗用車はゼネラルモーターズのオニキス、軽商用車はフィアットストラーダでした。オニキスの販売台数は前年同月比41.50%増の1万8279台、ストラーダは前年同月比5.52%減の5286台でした。

 日本のメーカーでは日産自動車のキックスとトヨタ自動車のハイラックスがそれぞれの部門で最多だった。キックスの販売台数は前月比17.57%増の4864台、ハイラックスは前月比7.32%増の3093台でした。

 乗用車と軽商用車を合算した3月のメーカー別シェア上位3社はゼネラルモーターズ(18.21%)、フォルクスワーゲン(14.58%)、フィアット(12.00%)。この3社の中ではフィアットだけが対前月比でシェアを落としています。日本勢はトヨタ(8.36%)が5位、ホンダ(5.26%)が9位、日産自(4.33%)が10位。トヨタと日産自が前月に比べシェアを伸ばしました。

警官がらみの死亡者が76人

 2日付地元メディアによると、警察(軍警察および文民警察)活動を監視し、問題があれば改善を勧告するサンパウロ州警察オンブズマンのデータで、3月に同州の軍警察官(非番を含む)との争いで死亡した人が州全体で76人に上ったことが判りました。

 犯罪容疑者の逮捕の際に軍警官と容疑者の間で撃ち合いになり、その結果として容疑者が死亡するという事例もありますが、同州内で発生している軍警官がかかわる死亡事例はそういうケースは少なく、窃盗容疑者の身柄を確保する際に、相手が丸腰で無抵抗にもかかわらず銃で撃って死なせ、相手が武器で攻撃してきたから身を守るための正当防衛だ、と虚偽の報告をしていた事例も多いそうです。

 また、同州の軍警官は非番の時でも銃を携行しており、路上や路線バスの車内などで強盗に遭遇した際には平気で発砲します。このような習慣が、警官がらみの死亡者を増加させる一因になっています。

サンパウロ州が上海に通商事務所開設

 2日付地元メディアによると、サンパウロ州ジョアン・ドリア知事は、中国との関係強化のため上海に通商事務所を開設すると発表しました。同事務所はサンパウロ州の農業、技術、インフラ、物流、経済開発、エネルギー、観光の8分野で中国との関係強化を進める予定です。

 ドリア知事によれば、サンパウロ州政府の使節団が今年8月3~10日、中国を訪問します。知事は「訪中ミッションで民営化計画を国営銀行、準国営銀行、政府系および個人の投資家に紹介する」と語りました。具体的には、中国の投資家に鉄道、高速道路、空港、港湾の民営化、農業開発などが提示される予定です。

エルサレムに通商事務所開設へ

 地元メディアによると、イスラエルを訪問中のジャイル・ボルソナロ大統領は31日、イスラエルが「首都」としているエルサレムに通商代表部事務所を開設すると発表しました。大統領は「事務所は科学、技術、イノベーション、ビジネス各分野の責任を担うことになる」としています。

 イスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相と並んで発表の場に立ったボルソナロ大統領は、ブラジルとイスラエル二国間のパートナーシップを「結婚に例え、私はイスラエルが持っていないもの、ブラジルが持っているものとそうでないものを見ろと言ってきた。今日の我々の結婚は、我々の国民に利益をもたらす」と強調しました。

 ネタニヤフ首相もまた、ブラジルによるエルサレムでの事務所開設の重要性について、「事務所開設がブラジルの駐イスラエル大使館のテルアビブからエルサレムへの移転の第一歩になる可能性がある。私は、いつかブラジルの大使館がエルサレムへやって来ることを願っている」と述べました。

GDP成長予想を2%に修正

 政府機関の応用経済調査院はブラジルの国内総生産GDP)の2019年の成長見通しをこれまでのプラス2.7%からプラス2.0%に引き下げました。28日付地元メディアによると、応用経済調査院の発表では、経済の回復ペースが依然として遅いと指摘しています。

 応用経済調査院は報告書の中で「財政的に大きなインパクトを持つ社会保障改革が19年の半ばに行われることを前提に、四半期ごとの成長率を予想している。これは年間成長率2.0%を達成するのに必要な条件だ」としています。

 ブラジル経済の19年の成長は、対前年比2.6%の拡大が見込まれている家計消費がけん引するとみられている。なお、28日にはブラジル中央銀行も、19年のGDP成長見通しを従来のプラス2.4%からプラス2.0%に下方修正したと発表しました。

サンパウロ州の殺人や性犯罪減少

 27日付地元メディアによると、サンパウロ市内における殺人件数が、2月は減少しました。サンパウロ州公共保安局が発表したもので、2月のサンパウロ市内における殺人事件は、昨年2月の64件より25%少ない48件でした。被害者数は昨年の68人より29%減の48人でした。また強盗致死事件は昨年の7件から4件に、盗犯事件は昨年の1万1982件から1万206件に、強制性交など暴力的性犯罪は224件から186件に減少しています。

 サンパウロ州全体でも2月の殺人事件は212件で、昨年の237件に比べ10%減少しました。01年に殺人統計が取られ始めてから今年2月の殺人事件は、最も少ない件数です。また、サンパウロ州の今年2月の盗犯件数は昨年2月の2万5179件より12%減の2万2244件で、暴力的性犯罪も昨年2月の999件より5%減の946件となっています。

新設企業 過去最多の253万社

 信用取引に関する情報の提供や分析を行う民間企業セラーザ・エクスペリアンが26日、2018年に大小合わせて253万4000社が新たに設立されたと発表しました。昨年新設された企業を15.1%上回り、過去最多でした。地元メディアが伝えました。新設された企業のほとんどが個人零細企業で206万4430社、新設企業の81.4%を占めています。セラーザは、「景気が思わしくなく、雇用創出に改善が見られないための必要に迫られた起業だ。そのため個人零細企業の新設数が増加した」と説明、就職先が見つからず、食べていくために止むを得ず商売を始めた人が多かったと指摘しています。

 業種別に見ると、昨年新設された企業では飲食サービスが8.2%と最も多く、次いで個人衛生・美容サービス(7.5%)、建物および電気設備の修理・メンテナンスサービス(7.1%)、衣料品販売(6.6%)の順です。いずれも日常的に消費され、需要の大きい製品やサービスを提供する個人企業でした。

10年間の年平均GDP成長率0.9%

 地元メディアによると、経済危機から脱し、ゆるやかな回復基調にあるというブラジル経済ですが、実情は経済危機前の水準にはまだ遠く及びません。2011~20年の10年間の国内総生産(GDP)伸び率は、ここ120年間で最悪になるといわれています。ジェトゥリオ・ヴァルガス財団の研究では、11~20年のGDPの成長率は年平均でわずか0.9%にとどまる見通しで、予想が的中すれば年平均1.6%の成長しか望めず、「失われた10年」と呼ばれている1980年代よりも酷い結果になります。

オートバイ盗難が毎時4台

 地元メディアによると、サンパウロ州内では2018年1~12月に3万5720台のオートバイ盗難が起き、1時間に約4台、1日に約98台のオートバイが盗まれました。同州公共保安局に届けられた盗難届けをアルヴァレス・ペンテアード商校研究本部がまとめたものです。

 盗まれた3万5720台のうち1万8553台は駐車していて盗まれ、残りの1万7167台は使用中に強奪されたものです。17年との比較では、オートバイ盗難被害は5%減少しましたが、盗まれたオートバイの数は6%増加しています。

 被害に遭った都市をみると、州都サンパウロ市が窃盗被害、強盗被害ともに飛び抜けて多く、州窃盗被害数の37.1%を占めています。続いてサンベルナルド・ド・カンポ市(2.8%)、リベイロン・プレト市(2.7%)、サント・アンドレー市(2.6%)、オザスコ市(2.4%)、カンピーナス市(2.2%)でした。

 サンパウロ市内では、盗難は比較的中心部に近いところで発生しており、強奪は同市外縁部で多く起きています。同研究本部は「理論的に盗難は、オートバイが長時間、路上に駐車される職場や大学、レジャー施設の近隣で発生し、強盗は通勤や通学などの移動時が多い」としています。

2月の小売は前月比で0.5%減

 地元メディアによると、ブラジルの小売売上高は2月、季節要因の影響を取り除いた調整値で、対前月比0.5%減でした。しかし、前年2月との比較では3.8%増加しています。2月までの12カ月間の累計でも、前年の12カ月間と比べ1.3%伸びています。信用情報会社ボア・ヴィスタ社(Boa Vista)がまとめたものです。

 今回の調査で低調な小売の回復が芳しくないことが分かります。ボア・ヴィスタ社によると、高い失業率と経済活動の低調が小売業界成長の障害になっている、としています。

 2月の小売業界は、主要な家具・家電製品部門が対前月比2.4%のマイナス(季節調整値で比較)と振るわず、繊維・衣料品・履物部門、スーパーマーケット・飲食料品部門、燃料・潤滑油部門はわずかながらプラスでした。