中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

女性の46%が家庭外でも働きたい

 国連の専門機関である国際労働機関と世論調査コンサルティングのギャラップ社が「労働の実情」について調査、7日結果を発表しました。それによるとブラジル男性の32%が妻は仕事ではなく家にいて欲しいと考え、家の外で働いて欲しい男性は30%でした。女性は家の中と外の両方で働くのが良いと考えている男性が最も多く、36%に上りました。地元での報道です。

 この調査で女性にも同じ質問をしたところ、家にいることを選ぶとした女性は28%、外で仕事をしたい女性は26%、家の中と外の両方で働くのが良いとする女性は46%でした。就業機会の調査では男性の大多数が労働市場で女性は男性と同等の機会を持っているとしていますが、女性は就業条件が男性より悪いと考えています。

女性失業率は13.8%
 ブラジル地理統計院(IBGE)が2012年第1四半期に開始した調査によれば、この四半期のブラジル全体の失業率は7.9%でした。男女別では、男性の失業率が6.2%なのに対し女性は10.3%でした。その後の数年間で男女間の失業率の差はわずかに縮まりましたが、それでもまだ女性の失業率は男性に比べて高くなっています。地理統計院による最新の調査結果では、16年第4四半期のブラジル全体の失業率は12.0%。男性の失業率は全体よりも低い10.7%、女性の失業率は男性よりも3ポイント以上高い13.8%です。

大きい賃金格差
 求人・求職サイトのカトが行った賃金に関する調査では、研修生からマネジャー(部門管理者、支配人)まで、調査対象9職務のすべてにおいて女性の賃金が男性よりも下回っています。男女間の格差が最も激しかったコンサルタント職では、男性の賃金は女性の賃金よりも62.5%高くなっています。他の職務の男女間の賃金差は、オペレーター職58.0%、大卒専門職51.4%、技術専門職47.3%、調整役・管理職・取締役46.7%、スーパーバイザー28.1%、アナリスト20.4%、研修生・インターン16.4%、補助・助手9.0%といずれも男性優位でした。

 エンリケメイレレス財務相は9日、サンパウロ市内で開かれたエスタード・デ・サンパウロ紙のフォーラムの席上、男女間の賃金格差について言及、社会保障改革の新たなルールが承認された場合、この男女間の賃金格差は20年以内に解消されると語りました。

サンパウロ市の街頭カーニバル 盗難届2千件

 サンパウロ州文民警察の集計(速報値)によると、2017年のカーニバル期間の6日間(2月24日~3月1日)にサンパウロ市内各地で行われた街頭カーニバルで携帯電話を盗まれたとする被害届けが1954件に上りました。地元メディアが伝えています。報道によると、携帯電話の盗難届けの内訳は、市内中心部で行われた街頭カーニバルで盗まれたものが1150件、市内西部のピニェイロス地区で盗まれたのが804件になっています。
 この届出数は警察に届けを出したものだけで、実数は増えるかも知れませんし、逆に「盗難」として届けたものの、実際はパレードで歩いたり踊ったりしている時に落としてしまったのかも知れません。従って実数は若干の変動があると思われます。
 12日には同市内のパウリスタ大通りで、カーニバルで携帯電話を無くした人によるパレード「Bloco do “perdi” o Celular no Carnaval」が予定されています。これには3675人が参加を表明、1万433人が関心を示しているそうです。

誘拐、殺害の中国人ギャングを逮捕

 サンパウロ州文民警察は8日朝、同州内の中国人に犯罪行為を仕掛けている中国人犯罪組織の構成メンバーと疑われる中国人8人をサンパウロ市内及び同州沿岸地域で逮捕しました。地元メディアが報じています。文警の殺人・人身保護部で指揮をとるエリザベテ・サトウ捜査責任者は「合計で20人の中国人が指名手配されている」としており、逮捕者の数は今後さらに増加するとみられます。

 サトウ氏によると、この日の逮捕は、中国から渡ってきた二つの組織の動きを捜査していた文警からの請求で裁判所が許可しました。逮捕された中国人は、サンパウロ州内で通常の商業に従事する中国人に対し殺人、誘拐、恐喝を働いた容疑がかけられています。サトウ氏は「捜査は、パラグアイとアルゼンチンからブラジルへ入国した中国人が来て始まった。被害者は他の中国人から商品を購入して、主にサンパウロ市内中心部で働いていた中国人だ」と話しています。

 文警はここ数年の間に州内で起こった中国人に対する殺人、誘拐、恐喝事件を捜査し、容疑者を特定しました。サトウ氏によると、この日は20の逮捕状と33の捜索・押収令状を執行するため、文警の捜査官はサンパウロ市内及び海岸部の複数の都市で捜査・逮捕に当たりました。「我々は約10人の被害者を特定しているが、実際の被害者は100人以上だと確信している」と指摘しています。

 サンパウロにおける中国人ギャングの犯罪はここ数年目立っており、2015年にはギャングの構成員である中国人4人が、1人の中国人女性を誘拐し、サンパウロ市内で逮捕されています。当時、中国人による犯罪を告発した被害者の話をまとめると、被害者と犯罪者のプロフィルはいつも同じで、被害者は中国から来た商売人もしくはその親戚で、誘拐犯は三合会(さんごうかい、トライアド)と呼ばれる犯罪組織構成員の移住者。ギャングはサンパウロ市内中心部で仕事をする中国人経営者に対し、「保護料」を払うよう要求、経営者らは家族が暴行されたり誘拐、殺害されないよう、1000~1万レアルを支払っています。要求に応じない場合は暴行や誘拐、殺人の標的にされていました。

サンパウロ新聞記者が強盗被害

 サンパウロ市リベルダーデ区の旅行代理店の両替所で換金した日本人が、出店後に追跡されて襲われる事件が頻発していますが、その事情に精通しているはずの新聞記者までが強盗に遭うほど、サンパウロ市内は治安が悪化してきました。被害に遭ったサンパウロ新聞記者によると、3日午後、旅行代理店の両替所で両替、両替所の社員から「今、危ないですから注意して下さい」と助言されたものの「大丈夫ですよ、こんな貧乏人」と笑って答えたそうです。ところが襲われたもので、日本人とみれば見境なく襲うと見た方が良さそうです。

 襲われた場所は、サンパウロ新聞社前の路上で、犯人はバイクに乗った2人組。運転する前の男が記者を指さし、「エリ、エリ(彼、彼)」と後ろの男に指示。男はピストルをかざしなら記者に密着、パソコン、現金、スマホ、クレジットカードなど洗いざらい奪いました。

 奪われた現金はたいした額ではありませんでしたが、その他の重要なクレジットカード、パソコンなどが痛手だったと言います。以前には両替した日本人が70キロも離れた場所まで追跡され襲われたケースもあり、犯人たちは機動力を備えており、油断できません。記者も「両替所は犯人たちに見張られていると考えた方が良く、支払いはカードにするなどの自衛措置が必要」と語っています。

 これからブラジル旅行を考えている人は、この両替後襲撃にくれぐれも注意をして欲しいところです

押収コカインの85%を占めるグアルーリョス空港

 地元メディアによると、ブラジルへやって来る多くの旅行者にとって「空の玄関口」といえばサンパウロ州グアルーリョス空港ですが、実はこの空港、コカインにとってもブラジルでの「空の玄関口」になっていました。2016年の1年間に連邦警察が国内の空港で押収したコカインの85%がグアルーリョス空港で押収されていたのです。

 2016年には国内の17空港で合計1919キログラムのコカインが連邦警察によって押収されましたが、このうちの1648キログラムがグアルーリョス空港で摘発されています。同空港でのコカイン押収量は、15年は1304キログラムでしたが、16年は26.4%も増加しました。

 グアルーリョス空港では他の麻薬も押収量が増えました。マリフアナの押収量は15年の19キログラムから40キログラムへ倍増。メタンフェタミン、つまり覚せい剤(錠剤)の押収量は15年の2万581錠から37万5296錠へ爆発的な増加を見せています。

仏小売チェーン「フナック」が撤退

 地元メディアによると、パソコンや携帯電話などの電気製品のほか、書籍や音楽・映像ソフト(CD、DVD)を販売するフランスの小売チェーン「フナック」が28日、ブラジルから撤退すると発表しました。撤退するにあたり同社は、ブラジル事業を売却する意向です。
 フナックは1990年代の終わりにブラジルに進出し、現在はサンパウロ州内を中心に十数店舗を展開しています。以前から同社は、ブラジル市場で業績上げるのは難しいと語っていました。フナック全体の売り上げに占めるブラジル事業のシェアは2%に過ぎません。
 同社は1日にあらためて声明を発表し、ブラジルにおける事業の継続と強化のためにローカルパートナーを探しており、これがうまくいかない場合には撤退すると28日発表を修正しました。

イタウ・ウニバンコ 国内最大の銀行に

 地元メディアによると、イタウ・ウニバンコ銀行は2016年末の総資産額でブラジル銀行を上回り、ブラジルで最大の銀行になりました。ブラジル銀行の16年末時点での総資産は1年前の1兆4480億レアルから3.2%減の1兆4010億レアル(約49兆350億円)、イタウ・ウニバンコは15年末時点の1兆3990億レアルを1.9%上回る1兆4260億レアル(約49兆9100億円)でした。
 16年の純利益は、ブラジル銀行が前年比44.2%減の80億3400万レアル、イタウ・ウニバンコは同7%減の216億レアルで、16年12月時点の店舗数はブラジル銀行が5440店、イタウ・ウニバンコが3464店でした。ブラジル銀行は昨年11月、17年中に402店舗を閉鎖し379店舗を出張所に格下げするとの計画を発表しています。

JRパス禁止反対署名 粘り強く働きかけ

 ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の2月度代表者会議が23日午後、サンパウロ市東洋街の文協ビルで行われ、在外居住日本人の使用禁止が3月末に迫るJR.ジャパンレールパスの使用禁止中止の訴えを粘り強く働きかけていくを決めました。

 山田会長は「インターネット上で素早く署名を集めるため、Change.orgでの署名活動協力が呼びかけられた。嘆願書を集める際に郵送などで時間がかかり、3月末が迫っているため協力する旨の返事をした」と述べ、会議で了承されました。出席者らから「インターネットのことはよく分からない」という声もあり、引き続き嘆願書の収集も行うことにしました。

強盗事件で軍警官がウソの報告=サンパウロ=

 サンパウロ市内南部のファベーラ内で27日未明に何者かが軍警察のパトカー1台を盗み、軍警に追われた末に現場から約80キロメートル離れた地点で、道路封鎖のために軍警が路上に置いたトラックに激突し犯人1人が死亡するという事件がありました。この事件について、盗まれたパトカーに乗務していた軍警官2人がウソの報告をしていたことが捜査当局の調べで分かりました。この2人はすでにパトロール任務から外され、これから虚偽の報告を行った罪に問われることになります。

 各メディアによると、この2人の軍警官は当初、「ファベーラ付近のパトロール中にライフルで武装した4人組の男にパトカーを奪われ、他の軍警官らによる追跡の結果、犯人4人のうち1人が死亡、3人は逃走した」と報告していました。しかし、これはすべてウソで、軍警官2人はファベーラの近くにパトカーを停車させドアロックをせずにパトカーから離れ、その隙にパトカーが盗まれたものでした。盗んだ犯人は4人組の武装した男ではなく、拳銃すら所持していない男1人に過ぎませんでした。

 パトカーを盗んだ後、犯人は他のパトカーに追われながらバンデイランテス街道を逃走、料金所付近で道路を封鎖していたトラックに衝突、その場で死亡しました。犯人は逃走中に警察無線で、「警察官になるのが子供の頃の夢だった、今はその夢の中にいる」などと話していました。

日系人出場者や日本人観光客の姿も=サンパウロ=

 24日、サンパウロ市でも開幕したカーニバルには22のエスコーラ(サンバチーム)が出場し、サンバ会場にやって来た観客を熱狂の渦に巻き込みました。ここで上位に入賞した7組は3日のチャンピオン大会で再びパレードを披露します。
 サンパウロ市内では路上でのカーニバル「ブロコ」も18日から始まり、若者を中心に多くの人が楽しんでいます。こちらはカーニバル終了後もしばらくは続く予定です。初日の24日は、夕方にすさまじいスコールがやって来ましたが、カーニバル開始時刻にはすっかり雨は上がったものの、例年よりも肌寒いカーニバルになりました。

 サンバ会場で5番目に登場したのはエスコーラ「ガビオンイス・デ・フィエル」には、日系の有名芸能人サブリナ・サトウもパレードに参加し愛嬌を振りまき、観客から盛んに声援が飛んでいました。このほかカーニバルには駐在員の日本人やその家族、日系人も多く出場。非日系人にも負けないパフォーマンスを披露していました。

日本人旅行者も見物

 観客席の中には日本からの旅行者の姿もみられました。カーニバル2日目の25日夕にブラジルに着いたばかりだという堀中進さん(43、栃木)は、駐在員の友人である堀本尚信さん(41、長崎)とカーニバル会場を訪れました。堀中さんはもちろん、堀本さんもカーニバルを観るのは初めてで、「パレードに加え、盛り上がっている他の観客を見るのも楽しい。音楽も良いし、めっちゃ楽しんでます」と笑顔で語ってくれました。