中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

JRパス禁止反対署名 粘り強く働きかけ

 ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の2月度代表者会議が23日午後、サンパウロ市東洋街の文協ビルで行われ、在外居住日本人の使用禁止が3月末に迫るJR.ジャパンレールパスの使用禁止中止の訴えを粘り強く働きかけていくを決めました。

 山田会長は「インターネット上で素早く署名を集めるため、Change.orgでの署名活動協力が呼びかけられた。嘆願書を集める際に郵送などで時間がかかり、3月末が迫っているため協力する旨の返事をした」と述べ、会議で了承されました。出席者らから「インターネットのことはよく分からない」という声もあり、引き続き嘆願書の収集も行うことにしました。

強盗事件で軍警官がウソの報告=サンパウロ=

 サンパウロ市内南部のファベーラ内で27日未明に何者かが軍警察のパトカー1台を盗み、軍警に追われた末に現場から約80キロメートル離れた地点で、道路封鎖のために軍警が路上に置いたトラックに激突し犯人1人が死亡するという事件がありました。この事件について、盗まれたパトカーに乗務していた軍警官2人がウソの報告をしていたことが捜査当局の調べで分かりました。この2人はすでにパトロール任務から外され、これから虚偽の報告を行った罪に問われることになります。

 各メディアによると、この2人の軍警官は当初、「ファベーラ付近のパトロール中にライフルで武装した4人組の男にパトカーを奪われ、他の軍警官らによる追跡の結果、犯人4人のうち1人が死亡、3人は逃走した」と報告していました。しかし、これはすべてウソで、軍警官2人はファベーラの近くにパトカーを停車させドアロックをせずにパトカーから離れ、その隙にパトカーが盗まれたものでした。盗んだ犯人は4人組の武装した男ではなく、拳銃すら所持していない男1人に過ぎませんでした。

 パトカーを盗んだ後、犯人は他のパトカーに追われながらバンデイランテス街道を逃走、料金所付近で道路を封鎖していたトラックに衝突、その場で死亡しました。犯人は逃走中に警察無線で、「警察官になるのが子供の頃の夢だった、今はその夢の中にいる」などと話していました。

日系人出場者や日本人観光客の姿も=サンパウロ=

 24日、サンパウロ市でも開幕したカーニバルには22のエスコーラ(サンバチーム)が出場し、サンバ会場にやって来た観客を熱狂の渦に巻き込みました。ここで上位に入賞した7組は3日のチャンピオン大会で再びパレードを披露します。
 サンパウロ市内では路上でのカーニバル「ブロコ」も18日から始まり、若者を中心に多くの人が楽しんでいます。こちらはカーニバル終了後もしばらくは続く予定です。初日の24日は、夕方にすさまじいスコールがやって来ましたが、カーニバル開始時刻にはすっかり雨は上がったものの、例年よりも肌寒いカーニバルになりました。

 サンバ会場で5番目に登場したのはエスコーラ「ガビオンイス・デ・フィエル」には、日系の有名芸能人サブリナ・サトウもパレードに参加し愛嬌を振りまき、観客から盛んに声援が飛んでいました。このほかカーニバルには駐在員の日本人やその家族、日系人も多く出場。非日系人にも負けないパフォーマンスを披露していました。

日本人旅行者も見物

 観客席の中には日本からの旅行者の姿もみられました。カーニバル2日目の25日夕にブラジルに着いたばかりだという堀中進さん(43、栃木)は、駐在員の友人である堀本尚信さん(41、長崎)とカーニバル会場を訪れました。堀中さんはもちろん、堀本さんもカーニバルを観るのは初めてで、「パレードに加え、盛り上がっている他の観客を見るのも楽しい。音楽も良いし、めっちゃ楽しんでます」と笑顔で語ってくれました。

壁絵の消去、審議会の許可必要ない

サンパウロ州控訴裁判所は23日、サンパウロ市歴史的・文化的・環境的財産保存審議会の許可なしで市当局が市内の建造物などに描かれた落書きや壁絵を消去することを差し止め、これに従わない場合は1日につき50万レアルの制裁金を科すとした今月13日の一審の決定を覆しました。
 地元メディアによると、アルベス控訴裁判事は、市当局の独断による壁絵などの消去を差し止める市民からの要求は一般的なものであり、市役所が公共の場所や建物の維持管理を行うのを妨げていると述べ、さらに「審議会に委ねられる壁絵などの技術的評価は財物の保護の観点から行われるものだとし、市当局が落書きや壁絵を消去するにあたって同審議会の許可を得る必要はない」と結論づけています。
 無許可での消去を差し止めた一審の決定後、サンパウロ市役所は控訴し、「壁絵は保護されるべき文化的財産ではない。壁絵の消去は同審議会もしくは技術サポート機関の事前承認を必要としない」と主張していました。

サンパウロのカーニバル 年々拡大

 ブラジルはカーニバル・シーズンを迎え,サンパウロでも24日夜からサンボードロモ(サンバ会場)でカーニバル・パレードが始まりました。市内各所では週末からカーニバル休日にかけブロッコと呼ばれる小・中規模グループ154チームの街頭パレードも行われています。カーニバルは28日まで続きます。各メディアによれば、サンパウロではブロッコの街頭カーニバルは拡大を続けており、今年は昨年より28%多い391チームが参加しています。
 18日に始まったサンパウロ市の街頭カーニバルでは、最初の週末だけで175チームが市内各所の街路でパレードを行いました。2009年創設の「バイショ・アウグスタ」は、35万人もの人を集めました。
 サンパウロの街頭カーニバルは、フェルナンド・ハダッド市長の時代に規模が拡大し始めました。13年から市役所がインフラ設備の提供など支援を始め、予算も年々投入しています。11年、12年に市内を行進したブロッコは30程度でしたが、今では390を越えるまでになりました。
 スポンサーの協賛も増え、昨年は1050万レアルの予算の7割を市が引き受けていましたが、今年はスポンサーだけで1500万レアルが集まったといいます。
 市文化局では、今年のカーニバルの人出は昨年より100万人多い300万人に達すると見込んでいます。他市から観光で訪れる人も増え、ホテル産業協会によれば、短期賃貸の物件を探す人の数は昨年のカーニバル時期から187%増加したとしています。

日本人が換金後に強盗被害

 在サンパウロ総領事館によると、16日午後、サンパウロ市東洋街の旅行代理店で現金を両替した日本人が、同市内から約70キロ離れた場所で強盗に襲われ、現金1万4000レアル(約50万円)、旅券、パソコン、クレジットカードを奪われました。

 被害に遭った日本人は、同行者とともに東洋街の旅行代理店で換金後、目的地までタクシーに乗りました。強盗の追尾を恐れサンパウロ市内を迂回し、高速道路を利用するなどして同市内から約70キロ離れた場所の駐車場に入りました。そのとき車両とバイクが接近してきて、その車に乗っていた強盗に銃を突き付けられ、所持品を奪われたものです。日本人に身体的な被害はありませんでした。
 このところ両替後の日本人が強盗に襲われる事件が頻発しており、同領事館では注意を呼びかけています。

貧困層最大360万人増加と予想=世界銀行=

 世界銀行は、ブラジルの貧困層が2017年末までに250万~360万人増加するとの調査結果を発表しました。現在ブラジルが直面している不況が、貧困と不平等の進行を早め、政府の貧困層支援策「ボルサ・ファミリア」などの貧困回避策に深刻な打撃を与えると警告しています。

 国内メディアによると、世銀の調査結果のように360万人の貧困層が増加すれば、月々140レアル未満で暮らす極度の貧困状態にある人の数はブラジル全体で2960万人に達します。世銀は新たな貧困層の増加は主に都市部で起こると指摘、ブラジル南東部(エスピリト・サント、リオ、ミナス・ジェライス、サンパウロの4州)の都市部に住む白人の若年成人が貧困に陥るとしています。彼らは何らかの資格を持ち、サービス業界で働いていた人とも指摘しています。

 これを回避するために連邦政府は17年のボルサ・ファミリアの予算を304億レアル(約1兆640億円)に増額する必要があったと指摘しました。実際は、「ボルサ・ファミリア」の2017年の予算は298億レアルで、世銀が必要と主張する額よりも6億レアル(約210億円)少ない予算になっています。

ブラジルはジャーナリストに危険な国

 ブラジル・ラジオ・テレビ放送協会が公表した調査結果で、ブラジルの報道機関で働く人は世界で10番目に、ラテンアメリカ地域で2番目に危険に晒されていることが分かりました。2016年、ブラジル国内でレポーターなどメディア関係者の261人が暴行被害を受けています。

 地元メディアによると、ブラジル国内における報道関係者に対する暴行などの事例は15年から16年にかけて60%も増加、16年には2人のジャーナリストが職務中に命を落としています。

 ジャーナリスト保護委員会(本部=米ニューヨーク)と国際ジャーナリスト連盟(本部=ベルギー・ブリュッセル)は、真実を追う現場におけるメディア関係者らへの脅迫が増加したとしています。ブラジル・ラジオ・テレビ放送協会のカマルゴ会長は、街頭デモの現場における治安部隊による対応は暴力の一つに当てはまるとして、「協会はデモや公共イベントにおける報道関係者に対する治安部隊の対応訓練を行い、対処方法を変えて欲しい」と政府に提案するとしています。

 報道関係者にとって危険な国ランキング(16年版)の上位10カ国は、1位から順にイラク、シリア、アフガニスタン、メキシコ、イエメン、グアテマラ、インド、パキスタン、トルコ、ブラジル。紛争の当事国やテロ事件がたびたび発生する国の名前が並ぶ中に、ブラジルも顔を出しています。

地下鉄での性的嫌がらせ、1日あたり2件=サンパウロ市=

 サンパウロ市の地下鉄および駅など付属施設で昨年記録された性的嫌がらせの件数は748件で、15年の165件から350%増加しました。

 地元メディアによると、地下鉄やその構内で起きた犯罪は、サンパウロ市西部バラ・フンダ駅にある州文民警察都市警察局により捜査されています。地下鉄や公共交通機関で起こる性的嫌がらせは、貞節に対する侮辱的な嫌がらせに分類されます。刑法では職場内での性的嫌がらせとして分類されているためです。侮辱的な嫌がらせは軽犯罪として罰金が科されるに過ぎません。

 州公共保安局によると、昨年度はメトロにおけるレイプ事件は起きていません。メトロ公社では利用者による運動を受けて、15年下半期以降、性的嫌がらせを撲滅し、通報を奨励するキャンペーンを開始しています。

インフレ予想また低下=中銀=

 ブラジルの金融市場はインフレがさらに低下すると予想しています。ブラジル中央銀行が13日公表した週次レポートによると、100を超える金融機関のアナリストは2017年の予想インフレ率を4.47%(前週4.64%)としています。低下予想はこれで6週連続です。2018年の予想は前週同様4.50%でした。
 地元各メディアによると、2017年の金融市場の経済成長見通しはプラス0.49%(前週プラス0.48%)でした。18年の見通しは前週のプラス2.25%から2.30%へ0.05ポイント改善しています。現在の年利13.00%の基本金利については、17年末時点で9.50%とする前週の見方と同じでした。