ブラジルの最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルのニュースをお届けします。

女性に多い人身取引被害

 国内メディアによると、リオデジャネイロ市で先ごろ開催された人身取引や移民の密売に関する国際セミナーで、2014年から16年までに確認された性的搾取や奴隷労働を目的とした人身取引被害は女性が男性を大きく上回ったと報告されました。このデータは、法務公共保安省女性政策局への通報を基に集計したものです。

 性的搾取を目的とした人身取引は被害者488人のうち317人が女性で、男性は5人のみでした。奴隷労働に関しては同期間に257件の通報を受けており、うち123人が女性で男性は52人でした。

 保健省によると、被害者のうち約50%が10~29歳の年齢層です。人権局は「0~17歳の乳幼児・青少年が人身取引の犠牲になっている」と指摘しています。同期間の被害者413人のうちこの年齢層は216人でした。また、14年から16年の期間に報告された408人の人身取引被害者のうち、全体の75%が女性でした。

グアルーリョス国際空港への連絡鉄道が来年開業

 サンパウロ州のジェラルド・アルキミン知事(PSDB)は20日、ブラジルの主要な空の玄関口であるグアルーリョス国際空港(サンパウロ州)とサンパウロ市内の中心部を結ぶ近郊都市鉄道13号線を2018年3月に開業すると発表しました。05年開業が予定されていた同線はこれまでに4回も延期されており、今回の発表も、来年3月に必ず開業するという確定したものではないようです。

 近郊都市鉄道によると、サンパウロ市内のルス駅とグアルーリョス国際空港を結ぶ急行電車の運賃は5~10レアルで、所要時間は35分です。ただ、本数は非常に少なく、空港発は午前8時、同10時、正午、午後10時の4本のみ。ルス駅発も午前9時、同11時、午後1時、同9時の4本のみの予定です。

公教育への柔道導入で指導者7人を招へい

 在ブラジル日本国大使館によると、日本政府は「スポーツ・フォー・トゥモロー」の一環でブラジル公教育への「柔道」導入計画に取り組んでいます。8日から1カ月間、ブラジルから柔道指導者7人を招き、筑波大学を中心に柔道研修「柔道の学校体育導入支援」を既に始めました。

 同計画は、2016年10月のテメル大統領来日の際、日本の文部科学省とブラジル・スポーツ省が「リオ2016から東京2020」への継承を念頭にスポーツ・体育教育分野での協力覚書を締結したのが始まりです。日本政府はブラジルでも広く普及している「柔道」の人間教育の側面に着目、公教育へ柔道を導入する支援をすることにしました。

 今回、初の取り組みとして日本国内の関係機関(外務省、スポーツ庁筑波大学講道館)が協力し、ブラジルから柔道指導者7人を招き、学校体育分野における柔道の講義及び実技等の研修を実施しています。

海水から麻薬の残留物質

 地元メディアの報道によると、サンパウロ州海岸地域で行われたサンパウロ連邦大学海洋科学部の調査で、海水から医薬品やコカインなどの違法薬物の残留物質が検出されました。調査は、サントス近郊海岸のプライア・グランデからサンビセンテ間の環境保護地区で海水をサンプリングして行われました。調査結果は、さきごろ開催された南米環境化学技術学会で報告されました。調査したカミロ・セアブラ博士は、「残留物は人間の尿から排出されたと考えられ、この地域の海洋生物に影響を及ぼしている可能性がある」と語っています。

 調査では同地域の海水中のマイクロプラスチックの存在も明らかにされました。マイクロプラスチックは大きさ5mm以下の微細なプラスチックで、元々は海岸や河川に廃棄されたプラスチックの断片です。マイクロプラスチックは、ウミガメの怪我や死亡の主要な原因とされています。オーストラリアのクイーンズランド大学が行なった国際的な研究でも、世界中のアオウミガメの半数が海洋ゴミを飲み込んでいると推定しており、アオウミガメの生死に大きく影響していると見ています。

コーセーがブラジル市場に進出

 化粧品メーカー大手のコーセー(小林一俊社長、本社=東京都)は、ヘアケアブランド「スティーブンノル ニューヨーク」を今年8月からブラジル法人コーセー・ブラジルを通して販売を開始し、初めてブラジル化粧品市場へ進出しました。商品はサンパウロリオデジャネイロを中心に高級ヘアサロンや高級化粧品専門店で取り扱われます。

 コーセーはブラジル人女性について、「ストレートパーマやヘアカラーを行っている人が多く、ダメージヘアやカラーヘア対応の商品に高い関心があるようだ。こうしたブラジル市場の特徴を加味して、まずは当地の女性の関心が高い髪質や髪の悩みに対応する商品の導入を考えた。日本国内で2015年から製造・販売しているダメージヘアをケアするメインアイテムの中から、シャンプー、コンディショナーなどのインバス(浴室内で使う)商品や、ヘアオイルなどのアウトバス(浴室の外で使う)商品など「Made in Japan」の高品質なヘアケア商品を揃えた」としています。

 ブラジルで販売されるのは「スティーブンノル ニューヨーク」ブランドの15品目15品種で、価格は99~240レアル(約2800円~6700円)です。

連邦検察庁がテメル大統領を新たに起訴

 ブラジル各メディアの報道によると、ロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官は14日、犯罪組織形成および司法妨害の容疑で連邦最高裁判所ミシェル・テメル大統領を起訴しました。検察の大統領起訴は、今年6月に収賄容疑の起訴に続き2度目です。

 今回の起訴も、前回の起訴原因となった食肉加工大手JBSとその親会社J&F社役員による司法取引証言と、大統領が属するPMDB(ブラジル民主運動党)の資金オペレーターとみられているルシオ・フナロ氏の司法取引証言に基づいて行われました。

 犯罪組織への関与では、大統領が所属のPMDBが国営石油ペトロブラスやフルナス電力公社、連邦貯蓄銀行、国家統合省、下院議会など様々な公的機関を利用して賄賂と引き換えに不正行為を行い、大統領は2016年5月以来そのグループを主導していたとしています。同事件への犯罪グループの関与では大統領ほか6人のPMDBの元・現閣僚および元下議(エドゥアルド・クーニャ元下議、エンリケ・アルベス元観光大臣、ジェデル・ビエイラ・リマ元総務長官、ロドリゴ・ロシャ・ロウレス元下議、エリゼウ・パジーリャ官房長官、モレイラ・フランコ大統領府事務局長)も起訴されています。起訴状によると、起訴された政治家グループが犯罪グループと指摘し、彼らが受け取った賄賂の総額は少なくとも5億8700万レアルとしています。

 司法妨害の容疑では、大統領のほかJ&F社主のジョエズレイ・バチスタ氏と元役員のリカルド・サウド氏が起訴されました。PMDBの資金オペレーターとみられているルシオ・フナロ氏と検察の司法取引を避けるためバチスタ氏側からフナロ氏家族へ資金提供しており、大統領が資金提供を承認したのは違法行為の隠蔽にあたる捜査妨害と指摘しています。フナロ氏はその後検察と司法取引で合意しています。

 現職大統領起訴の受理するかどうかを最高裁が判断するには、下院本会議で議員数の3分の2以上の承認が必要です。前回の収賄容疑による起訴では、下院で否決されました。大統領府社会広報局は声明で、「検察は前回の失敗を隠すため無責任なことを続けている」と大統領起訴を批判しています。

職にあぶれるミレニアル世代

 企業向け情報サービスなどを手掛ける民間企業、パドラン・グループの情報収集・調査部門であるパドラン情報収集センターとデジタル調査会社マインドマイナーズが実施した「ミレニアル世代」(1980年代から2000年代初めに生まれた18~32歳の若者)の調査が公表され、4人に1人が職にあぶれていることが分かりました。地元メディアによると、ミレニアル世代の25%が仕事をせず、勉強もしていないとしています。

 失業中の若者の57%は1年以上も失業しています。失業期間が半年~1年の人は16%、1~6カ月は21%、1カ月未満が6%です。失業中の47%は就学せず、34%は就学も就職もしていません。

 パドラン・グループの最高経営責任者は、「他国に才能ある人材を流出させないために、ブラジルの労働市場若い人たちにもっと目を向ける必要がある。もしこの労働力が活かされないなら、我々は輝かしい才能を海外へ移してしまうことになる」と警鐘を鳴らしています。

インフルエンザ感染者が減少

 地元メディアによると、保健省が6日公表したインフルエンザ流行のデータで、今年1月から8月28日間に記録されたインフルエンザ感染件数は2070件と昨年同期比の1万1062件から81%減少しているのが分かりました。インフルエンザが原因の死亡件数も、昨年の2007件から今年は361件に減少しています。

 保健省によれば、昨年最も流行したウィルスはH1N1型で、今年はH3N2型。同省関係者は「インフルエンザ感染の減少で予防接種を受ける人が減少したが、予防接種は受けてほしい」と強調しています。今年4月から7月にかけて実施された接種キャンペーンでは、5180万人が予防接種を受けました。

携帯電話契約が1カ月で11万件減る

 地元メディアによると、国家電気通信庁の13日発表で、2017年7月末時点の携帯電話の契約回線数は2億4201万1349件と判りました。前月末時点より11万3100件減少しています。契約回線数は今年7月までの1年間で1056万2492件の減少です。

 首都ブラジリアを含む27州中、今年6月から7月にかけて契約回線数が増加したのは10州でした。最も増加したのは15万6393件増のサンパウロ州で、ゴイアス州が1万2138件増で続いています。逆に大きく減少したのは6万5795件減のリオグランデ・ド・スル州でした。

キノコ研究で石川ノエミアさんが勲章受章

 アマゾナス州マナウス市のブラジル国立アマゾン研究所研究員、石川・カズエ・ノエミアさん(45歳、三世)が8月11日、高等労働裁判所の労働司法勲章をキノコ研究で受章しました。受賞について石川さんは、「今回の受章は日本の奨学金で勉強したことも関係しており、日本のお陰でもあります」と日本への感謝を口にしていました。

 現在、ヤノマミ族の食用キノコの研究をしている石川さんは、ブラジルでシイタケ栽培先駆者の一人だった祖父、駒込信夫さん(故人)の影響を受けキノコ研究を始めて26年になります。彼女は現在、日・ブラジルを繋ぐ共同研究やヤノマミ族の食用キノコのレストランへの導入など、多岐にわたって活躍しています。

シイタケの中で育つ
 石川さんは、1972年にパラナ州ロンドリーナ市マラヴィーラ村生まれ。祖父の駒込信夫さんが岩手県から菌株(きんしゅ)を持ち帰り、1970年前後からシイタケの栽培を始めたこともあり、「煮しめ、ご飯、味噌汁など全部にシイタケが入っていた」というほどシイタケに囲まれて育ちました。15歳くらいになって初めて、自分の家庭や周りだけにしかシイタケがないことに気づいたといいます。

 駒込さんは孫の石川さんに「シイタケの研究をしたら博士にもなれるよ」という言葉を残しています。「キノコの研究に興味を持った」という石川さんに後継者として期待したのでしょう。彼女は祖父の期待を裏切らなかったわけです。

 91年にロンドリーナ州立大学生物学コースに入学、菌類学を勉強。97年10月から日本の文部科学省奨学金を受け、北海道大学の博士課程へ進学。同じキノコでもエノキダケに関連した研究で博士号を取得しました。北大で博士号を取得後帰国、現在は国立アマゾン研究所の研究員(国立アマゾン生物多様性技術院の副コーディネーターも兼任)を務めています。2009年には10カ月間、鳥取県の日本きのこセンターで日本人研究者と共同研究も行いました。

原住民の生活向上に貢献
 ヤノマミ族はブラジルとベネズエラの国境付近に住む原住民で、アラゲカワキダケやシイタケの近縁、ヒラタケの同属種などを含む15種類のキノコを食用にしています。石川さんは「研究ではインディオから学ぶことは多いし、インディオのためになるのも嬉しい」と話します。実際石川さんらの努力で、これらのキノコはサンパウロ市内のレストランで提供されており、その収益はヤノマミ族の生活向上に充てられています。

 今後の目標について石川さんは、「アマゾンのキノコを世界に広げ、アマゾンの人たちのサポートをしたい。おじいちゃんがブラジルにキノコを持ってきたこともありがたいことだけど、今度は逆にブラジルから日本にも持っていきたい。それが今の夢」と語りました。