ブラジルの最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルのニュースをお届けします。

黒人の失業率が上昇=大サンパウロ圏=

 地元メディアの報道によると、労組横断社会経済調査・統計所が実施した黒人と非黒人の労働調査で、サンパウロ市を含む39市で構成する大サンパウロ都市圏の黒人失業率が、2015年から16年にかけて非黒人の失業率よりも高く推移しました。調査では、非黒人の失業率は15年の12.0%から15.2%へと3.2ポイント上昇しましたが、黒人の失業率は14.9%から19.4%へ4.5ポイントも上がりました。

 男女別で見た場合、大サンパウロ都市圏内では15年から16年にかけて、もともと黒人男性よりも高い黒人女性の失業率が16.3%から20.9%へ上昇しました。黒人男性の失業率は13.7%から18.0%へ上がっています。

 賃金は、非黒人の平均時給が14.17レアルから13.41レアルへと5.3%下がったのに対し、黒人の平均時給の下落率は5.1%と非黒人よりも下げ幅は小さく収まりました。ただし、黒人の平均時給そのものが非黒人よりも低く、15年は9.59レアル、16年は9.10レアルとなっています。

億万長者が5年で30万人

 地元メディアによると、スイスに本社を置く金融機関クレディ・スイスは、2022年までにブラジルの億万長者は29万6000人に達する、とみています。クレディ・スイスは、同社が評価・分析を行った23カ国中でブラジルは億万長者の数の増加率がアルゼンチンに次いで大きいと伝えています。

 ブラジルに次いで大きな増加が見込まれているのは、インド(予想人数37万2000人)、ロシア(同19万6000人)、オーストラリア(同169万9000人)、日本(同382万1000人)など。同研究の億万長者の定義はは、住居を除く保有資産の価値が100万ドルを超える個人としています。

ブラジル政府、総額1309億レアルを投資

 連邦政府は9日、来年末までにエネルギー、インフラ、防衛、住宅、都市交通、衛生設備、石油・ガス各分野で総額1309億7000万レアル(約4兆5839億円)の投資を行うと発表しました。新たな投資資金は進行中の事業、中断している工事に手当てされます。事業の一部は、ルーラ政権とジルマ政権のショーウインドー、つまり「客寄せ」と呼ばれていたものも含まれます。国内メディアが報じました。

 この日発表された計画では石油・ガス分野に対して最も大きな額が割り当てられ、額は451億6000万レアル(約1兆5806億円)、投資額全体の34.5%を占めます。その他はインフラ241億2000万レアル(約8442億円)、防衛89億9000万レアル(約3146億円)、社会政策90億レアル(約3150億円)、住宅159億1000万レアル(約5568億円)、都市交通66億1000万レアル(約2313億円)、衛生設備73億9000万レアル(約2586億円)、発電90億レアル(約3150億円)、送電39億7000万レアル(約1389億円)、電力へのアクセスの普遍化7億3000万レアル(約255億円)となっています。

 投資資金は三つの財源から捻出されます。国の一般会計予算から421億レアル、連邦貯蓄銀行と勤続期間保障基金、社会経済開発銀行から合計299億レアル、そして国営石油会社ペトロブラスを中心とするエネルギー分野の国有企業から合計589億レアルが調達されます。

日本へ乳製品を輸出

 地元メディアによると、農牧食糧供給省は先ごろ、「ブラジルは牛乳及び乳製品を日本へ輸出出来るようになった」と発表しました。同省国際関係局が日本から、「ブラジル産の牛乳及び乳製品に日本市場を開放する」という知らせを受け取ったからです。

 ブラジルは日本との輸出交渉を粘り強く続け、2年かけて国際衛生証明書承認に漕ぎ着けました。これでブラジルは、ワクチン接種の有無にかかわらず、口蹄疫の発生のない地域からの製品を日本へ輸出することが可能となりました。

 同供給省によれば、日本は世界で7番目に大きな乳製品輸入国です。2016年にはホエイパウダーを約6万2000トン、バターを1万3000トン、チーズを25万8000トン、そして脱脂粉乳カゼイン、乳糖などの乳製品を20万1500トン、合計12億ドル分の乳製品を輸入しています。

 同省のシルバ国際関係局長は「国際市場参入を目指している乳製品業界にとって日本は、消費市場の大きさで重要な輸出先だ。ブラジルは日本の要求を満たす能力を有している」と強調しています。

「可哀そうな熊」はサンパウロへ 

 「世界一可哀そうな熊」として話題になっていた雌熊「マルシャ」が、快適に暮らせるようにサンパウロに移送されることになりました。裁判所の決定として地元メディアが報じています。

 ブラジル北東部ピアウイー州の州都テレジーナ市は南緯5度と赤道に近く、年間を通して高温の街です。マルシャは今はテレジーナ市の動物園で暮らし、地面に穴を掘って40℃という厳しい暑さを凌いでいます。この動物園では熊のマルシャに犬の餌を与えているそうです。

 このような良好とは言えない環境に置かれているマルシャをふびんに思ったネットワーク「Avaaz」のメンバーが、マルシャをもっと涼しい土地に移そうと署名活動を展開、裁判所へ訴えました。この訴えを受け裁判所は、マルシャにとって残酷な状況だと指摘、マルシャをテレジーナからサンパウロへ移すよう決定したものです。

ニコン、ブラジルのカメラ市場から撤退

 光学機器メーカー、ニコン(牛田一雄社長、本社=東京都)のブラジル販売子会社「ニコン・ド・ブラジル」(Nikon do Brasil、本社=サンパウロ)は6日、オンラインショップを通じて独占的に行っているブラジル市場向けのカメラ、レンズ、写真用アクセサリーの販売を12月31日で終了すると発表しました。顧客サービスとサポートは継続し、12月31日までにニコン・ド・ブラジルのオンラインショップで販売される製品は、これまで通り保証期間は変わりません。

 ニコン・ド・ブラジルは、デジタルカメラ、顕微鏡や測定機の販売強化とアフターサービスの充実のため2011年に設立され、営業してきました。同社はブラジル市場に「近年著しい経済成長を見せており、五輪やサッカーワールドカップの開催も予定されるなど、デジタルカメラ事業の成長が期待される」と表明、ブラジル法人を立ち上げていました。

密輸品の押収額、17億レアルで過去最高

 国内メディアによると、国税庁が1月から9月末までに空港、港、国境で押収した密輸品総額が17億レアル(約595億円)に上りました。16年同時期の14億7000万レアルに比べ15%増、同期間の押収額としては過去最高額です。

 国税庁税関・国際関係担当官は、「ここ数年、情報交換、諜報、情報化されたツールを使って行動するようになった。そのため作戦行動は緻密になり、押収品が増えている」と話しています。国税庁は他の国々の税関当局から情報を受け取り、デジタル簿記公共システムや電磁的課税伝票だけでなく、連邦警察や連邦道路警察の情報とも照らし合わせて捜査しているそうです。

 当局によると、押収された密輸品で最も多いのは「たばこ」。担当官は「押収される製品の数は年々大きく変化するが、たばこの押収はここ数年間、他の商品と比べても非常に多い」としています。9月末までに押収された密輸たばは1億6000万箱を越えています。

 押収品はたばこ(7億7700万レアル、約272億円)、電気電子機器(1億260万レアル、約35億9000万円)、衣料品(5920万レアル、約20億7000万円)、自動車(5570万レアル、約19億5000万円)、情報機器(3320万レアル、約11億6000万円)、時計(3310万レアル、約11億6000万円)、サングラス(2560万レアル、約8億9000万円)などです。押収品の中には麻薬も含まれ、17年1~6月に押収されたコカインは14トンに上りました。マリフアナも押収量は28トンを越えています。

サンパウロ市幹部、情報開示の妨害を指導

 地元メディアが、ジョアン・ドリア市長(サンパウロ市)をトップとする市役所が「情報アクセス法」に違反しジャーナリストへの情報提供を妨害する行為をしていると報じています。例えば、ジャーナリストが市内の道路の陥没や穴を修理する箇所がたくさんある事を報じようと資料を請求しても、市の幹部は情報入手を諦めさせるため情報を小出しにするよう部下に命令、報道を妨害しているとしています。

 ドリア市長は、市役所に対して行われた情報開示請求を遮ったりするといった方針はとっていないとし、「我々はいかなる種類の制限もなしに、それを望む人がサンパウロ市役所のすべての情報にアクセスできる自由を保証している」と反論しています。

 2012年に施行された情報アクセス法は、市民らが行政のデータにアクセスすることを保証する目的で制定され、誰が請求したかに関係なく各種情報は開示されなければならないと規定しています。開示請求者はその請求の理由を明らかにする必要もないともされ、情報を要求された公的機関は個人情報などの特殊なケースを除き拒否出来ません。

 なお、サンパウロ市役所は拒否したと槍玉に挙げられた幹部はすでに辞職を申し出たおり、市の幹部ではないと表明しています。

前立腺がんで1.4万人が死亡

 アジェンシア・ブラジルによると、2015年度にブラジルでは1万4484人の男性が前立腺がんで死亡しました。保健省のデータで分かったもので、ブラジルの男性にとって前立腺がんは皮膚がん(非メラノーマ)に次いで多いがんです。NGO団体「ラード・ア・ラード・ペラ・ビーダ研究所」は、今月実施される男性の病気の予防・啓発キャンペーンで、前立腺がんの早期診断の必要性を呼びかけています。

 同研究所によると、前立腺がん患者の20%が進行した段階で診断を受けています。国立がん研究所は、16年の新規患者は6万1000人以上とみています。ジェラルド・ファリア泌尿器科医は、死亡率を高くしている要因に「病気を発見する鍵とも言える触診による直腸検査に対し男性が偏見を持っている」と指摘しています。

 同医師は「この検査には触診法とPSAと呼ぶ血液検査の2種類がある。この2種類の検査を同時に行なう事により、90%の確立でこの病気を早期に発見できる。残念な事に男性側に偏見が依然としてあり、いまだに多くの男性が触診での検査を拒否している」と嘆いています。

遺伝も危険因子の一つ
 ビーダ研究所によると「遺伝が前立腺癌の主要な危険因子の一つ。とくに黒色系男性は、この病気に罹る確立が最大60%高い。50歳を過ぎた男性は、専門医に見てもらうのを勧める。黒色系や前立腺がんを患った近親者がいる男性は、45歳から検査を始めたい」と助言しています。

男女格差広がる

 スイスに本部を置く非営利団体世界経済フォーラムが1日発表した「男女平等に関する年次報告書」によると、ここ10年間着実に縮まっていた世界の男女格差が今年になり再び拡大しました。国内メディアが報じたものです。同報告書は世界144カ国の男女平等について、労働、教育、健康、政治の各分野で評価しています。報告書は、現在のペースで進めば、労働分野における男女間格差は217年後の2234年まで続くとしています。昨年は格差解消にかかる時間は170年としており、1年で47年も先に伸びたことになります。

 同報告書は144カ国の男女格差の順位付けを発表していますが、今年のブラジルの順位は90位でした。15年に85位だったブラジルは16年に79位までラックアップしましたが、今年はそこから一気に11ランクも下落しました。ランク付けが始まった2006年のブラジルは67位でした。

 ブラジルの女性は政治面で大きな不平等を被っており、これがブラジルの評価を大きく押し下げています。ブラジルの女性は省庁や議会への進出が低く、低い賃金に苦しめられているのが現状です。政治的に力をつけているかを評価する指標では、ブラジルの順位は昨年の86位から一気に110位にまで落ちています。ブラジルの連邦下院議員は513人ですが、女性はわずか51人(10%)です。上院も似たようなもので、81人の議員の内女性は13人(16%)です。現政権の閣僚も、28ポストの内女性はわずか7%、2ポストに就いているに過ぎません。

 男女の賃金格差も大きく、女性の賃金は男性の58%です。この割合は昨年と同じで、この1年間まったく改善が見られませんでした。17年の平均年収は推計で男性が6万2860レアル、女性は3万6330レアルです。

 ラテンアメリカ諸国の順位を見ると、アルゼンチン33位、コロンビア36位、ペルー48位、ウルグアイ56位、チリ63位、メキシコ81位、パラグアイ96位、グアテマラ110位でした。

 ちなみに日本の順位は昨年より三つ低い114位でした。日本の女性は中南米諸国の女性より冷遇されていることが一目瞭然で、日本が男社会といわれる所以もここらにありそうです。